全ては性の肥やし。巻き込み型セックスのバイブル「罪に濡れたふたり」
姉と弟の愛の物語。
10巻以降、これを言ったら傷つけるから言わないで消えようというお決まりのパターンを執拗になぞる。くどいしさすがに失敗から学ばな過ぎだろうとツッコミながら読み進めるうちにはたと気づく。このひとたちは好きでやってるんだ…!と。次々と生じる不幸(寝取り、寝取られ、ときには友人の死をも)全て弟との禁じられたセックスの肥やしとして余すところなく堪能し尽くす。周囲を巻き込み、振り回し、その結果向けられる怨念を、さながら元気を集める孫悟空のようにみんなから集めて都度セックスで大放出。
だらだらとくっついたり別れたり繰り返させておけば読者はついてくるだろうという作者の安易な思惑かとおもいきやその実、底なしに性欲が強いと人間どこまでもタフかつ独善的でいられるという罪について巧みに描かれていた。